国鉄タキ400形貨車(こくてつタキ400がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)に在籍した私有貨車(タンク車)である。

本形式から改造され別形式となったタキ450形についても本項目で解説する。

タキ400形

タキ400形は、日本初のカセイソーダ液専用の30t 積タンク車として1935年(昭和10年)12月27日から1951年(昭和26年)10月20日にかけて15両(タキ400 - タキ413、タキ417)が日本車輌製造、川崎車輛、運輸機材の3社にて製作された。1949年(昭和24年)9月30日にワキ1形(ワキ207)より1両、同年12月28日にチキ1500形より1両、チキ3000形より1両がそれぞれ改造の上本形式に編入された。

また逆に本形式から種車となりタキ450形タキ413→タキ450、後述)、タキ6700形(タキ410→タキ6701)、タキ9350形(タキ415 - タキ416→タキ9350 - タキ9351)へそれぞれ改造され本形式を離籍した。

記号番号表記は特殊標記符号「コ」(全長 12 m 以下)を前置し「タキ」と標記する。

本形式の他にカセイソーダ液を専用種別とする貨車はタム900形(130両)、タキ1400形(104両)、タキ2600形(523両)、タキ2800形(332両)、タキ7750形(289両)等実に29形式が存在した。

落成時の所有者は、東亞合成化学工業(現在の東亞合成)、レーヨン曹達、大日本紡績、興国人絹パルプ(現在の興人)、日本軽金属の5社であった。

1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号「81」(侵食性の物質、腐食性物質、危険性度合2(中))が標記された。

ドーム付き直円筒型のタンク体は、普通鋼(一般構造用圧延鋼材、SS41現在のSS400)製で荷役方式はタンク上部のマンホール又は液出入管からの上入れ、液出管と空気管使用による上出し方式であり、両管はS字管を装備している。

車体色は黒色、寸法関係は全長は10,300mm、全幅は2,590mm、全高は3,725mm、台車中心間距離は7,710mm、実容積は22.5m3、自重は17.8t、換算両数は積車4.5、空車2.0であり、台車はTR20、TR24(その後換装された車もある)である。

1983年(昭和58年)12月21日に最後まで在籍した1両(タキ417)が廃車となり同時に形式消滅となった。

タキ450形

タキ450形は前述のとおり1956年(昭和31年)8月27日に新潟鐵工所にてタキ400形タキ413)より改造され形式名は新形式であるタキ450形とされた。改造内容は断熱材を巻きキセ(外板)を装備したことであり、その結果積載荷重は28t 積に減トンされた。

記号番号表記は特殊標記符号「コ」(全長 12 m 以下)を前置し「タキ」と標記する。

落成時の所有者は、大日本紡績であったが1964年(昭和39年)7月1日にニチボーへ、1966年(昭和41年)10月28日に新日化産業へそれぞれ名義変更された。

1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号「81」(侵食性の物質、腐食性物質、危険性度合2(中))が標記された。

車体色は黒色、寸法関係は全長は10,300mm、台車中心間距離は7,200mm、実容積は22.5m3、自重は18.8t、換算両数は積車4.5、空車1.8であり、台車はアーチバー式のTR20である。

1973年(昭和48年)1月19日に廃車となり同時に形式消滅となった。

参考文献

  • 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
  • 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)

関連項目

  • 国鉄の車両形式一覧

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