第180回国会(だい180かいこっかい)とは、2012年1月24日に召集された通常国会。当初の会期は2012年6月21日までの150日間であったが、社会保障・税一体改革関連法案の今国会中成立などを理由に9月8日まで79日間延長された。
概要
第179回国会の会期延長が困難となったため、東日本大震災からの復興財源確保法案を除き未成立となった重要法案の審議が焦点となった。 今国会運営中、民主党政権発足当時の公約に掲げられていた八ッ場ダムの建設凍結を撤回・再開及び4年間の政権運営中は増税しないとしていた消費税増税方針を打ち出したことが公約違反であるとして、これらに異を唱える若手議員の離党が相次いでおり、小沢一郎及び同氏率いる小沢グループは税制改革法案の衆院採決において反対票を投じたため除籍処分を受け、新党を結成した。
民主党政権発足の鳩山内閣以来政治主導方針のもと、内閣法制局長官は官僚であるとし、政府特別補佐人と認めていなかったが当国会から政府特別補佐人とすると方針転換の実際的措置をする。
本国会においては会期中に2度の内閣改造が行われたほか、民主党政権として初となる、内閣総理大臣の問責決議案が可決された(総理に対する問責は3例目)。
各党・会派の議席数
主な審議議案
衆法(衆議院議員提出法律案)
参法(参議院議員提出法律案)
閣法(内閣提出法律案)
予算
条約
今国会の動き
召集前
2011年
- 12月9日 - 第179回国会が閉会
- 12月24日
- 2012年度予算案が閣議決定
- 民主党の中島政希衆院議員が離党届を提出
- 12月28日
- 公約違反を不服として民主党の斎藤恭紀・内山晃衆院議員をはじめとする9名が離党届を提出
- 新政党『大地・真民主党』が設立される。
- 民主党の横峯良郎参院議員が離党届を提出し、大地・真民主党に移籍
2012年
- 1月4日
- 民主党を離反した衆院議員9名による新政党『新党きづな』が設立される。
- 民主党の大石尚子参議院議員が死去
- 1月5日 - 大地・真民主党が『新党大地・真民主』に改称。
- 1月13日 - 野田第1次改造内閣が発足。
会期中
1月
- 24日 - 開会式。野田内閣総理大臣の施政方針演説等を始めとする閣僚による政府四演説実施。
- 26日~30日 - 衆議院及び参議院本会議にて代表質問を施行。
- 31日 - 衆議院予算委員会にて、平成23年度第4次補正予算の審議入り。
2月
- 3日 - 衆議院本会議にて平成23年度第4次補正予算案を可決、参議院に送付。
- 8日 - 参議院本会議にて平成23年度第4次補正予算案を可決、成立。
- 29日 - 国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律が成立。
3月
- 8日 - 衆議院本会議にて平成24年度予算案を可決、参議院に送付。
- 23日 - 参議院本会議で「北朝鮮による「人工衛星」の打ち上げ発表に抗議し強く自制を求める決議」を全会一致で可決。
- 30日
- 衆参両院で4月1日から4月6日までの平成24年度暫定予算案を審議し、両院で可決し成立。平成24年度予算案の平成23年度中の成立が不可能になったための措置。
- 特別会計法、地方税法、地方交付税法、関税定率法の改正案が成立し「東日本大震災復興特別会計」が新年度(4月1日)から施行するための環境が整う。
- 沖縄振興特別措置法改正案と沖縄県における駐留軍用地の返還に伴う特別措置に関する法律の改正案が成立。これにより沖縄振興特別措置法の有効期限が平成34年(2022年)度末まで延長される。
4月
- 5日 - 参議院本会議で平成24年度予算案が否決。両院で議決が異なったため両院協議会が開かれたが成案が得られずに終了、日本国憲法第60条(衆議院の優越)の規定に基づき平成24年度予算案が成立。
- 12日 - 衆議院本会議で「北朝鮮による「人工衛星」の打ち上げ発表に抗議し発射中止を求める決議」を全会一致で可決。
- 13日 - この日に北朝鮮が「人工衛星」と称するロケット(日本政府は弾道ミサイルと認識)を発射。これを受け、衆議院本会議で「北朝鮮による「人工衛星」打ち上げに抗議する決議」が提案され、全会一致で可決される。
- 16日 - 参議院本会議で「北朝鮮による弾道ミサイル発射に抗議する決議」が全会一致で可決される。
- 18日 - 田中直紀防衛相及び前田武志国土交通相の問責決議案を自民党が提出。翌19日より自民党は国会審議の全面拒否に入る。
- 20日 - 田中防衛相及び前田国交相の問責決議案が参議院本会議で可決。
6月
- 4日 - 野田第2次改造内閣が発足。
- 21日 - 午後の衆議院本会議にて会期を79日間延長することが与党の賛成多数により議決される。
- 26日 - 消費税増税を含む社会保障・税一体改革関連法案が衆議院を通過。民主党からは、消費税増税に反対する鳩山由紀夫元首相及び小沢一郎のグループを中心とする57名は反対、16名が欠席。
7月
- 2日 - 消費税増税法案に反対票を投じた、小沢一郎以下民主党の衆議院議員40名、参議院議員12名が離党届を提出。
- 5日 - 小沢一郎らが新会派国民の生活が第一を衆議院37名、参議院12名で結成。
- 18日 - 民主党の中津川博郷衆院議員が離党届を提出。
8月
- 7日 - 国民の生活が第一・みんなの党をはじめとする野党7党が野田首相の問責決議案を参議院へ、内閣不信任決議案を衆議院へそれぞれ提出。
- 8日 - 消費税増税法案の取り扱い等を巡り首相と自民党の谷垣総裁と公明党の山口代表が国会内で会談を実施。この後、自民党は独自に準備していた首相の問責決議案と内閣不信任案の提出を当面見送ることを決定した
- 9日 - 衆議院本会議にて野党が提出した内閣不信任案が否決。鳩山由紀夫は会議を欠席した。
- 10日 - 午後の参議院本会議にて消費税増税関連法案が成立。
- 29日 - 夜の参議院本会議で野田佳彦首相に対する問責決議案が野党の賛成多数で可決。公明党は採決を棄権した。
9月
- 8日 - 会期末。
常任委員長
脚注
関連項目
- 野田内閣/野田第1次改造内閣/野田第2次改造内閣
- 2012年の政治
- 三党合意
- 歳入庁構想
外部リンク
- 衆議院インターネット審議中継
- 参議院インターネット審議中継
- 平成24年 衆議院の動き
- 平成24年の参議院の動き




