高雄駅(ガオションえき/たかおえき)は、台湾高雄市三民区にある、台湾鉄路公司(台鉄)・高雄捷運の駅。
概要
高雄市の中心駅となっている。日本統治時代末期の1940年に建てられた旧駅舎は、台湾高速鉄道や地下鉄の開通に伴い新駅舎の建設が決定した際、その帝冠様式の素晴らしさから保存を望む声が各方面から寄せられ、2002年8月16日、高雄市は移築工事(曳家)を開始。総重量3500トンの駅舎をそのまま台車に乗せ、1日に6m、14日をかけて東南の方向へ82.6m移動させた。その旧駅舎は「高雄願景館/高雄鐵路地下化展示館(高雄鉄道地下化工事資料館)」という資料館に生まれ変わり街のシンボルとなった。なお、旧駅舎は2021年に再度移動されており、将来は新駅舎に結合され、入口として利用される予定である。新駅舎ができるまでは臨時駅舎を使用していた。
地上臨時駅舎時代は歩行者が駅を跨いで行き来するには、当初は月台票(入場券)を購入する方式が適用されていたが、その後正面口(南側、前站)と北口(後站)で無料の通行許可証を改札で受け取る方式に改められ、構外経路の場合は捷運駅出口そば、願景館東側の南華路にある仮設歩道橋(北側は恒豊街、松江街を介して九如二路と繋がっている)まで迂回が必要だった。
利用可能な鉄道路線
台湾鉄路公司からは線路名称上は縦貫線 、屏東線、高雄臨港線の3路線が乗り入れる。台北方面からの台鉄対号列車の大半は、この駅が終着であったが、高雄機廠の潮州車両基地への機能移転に伴い、概ね潮州駅まで延伸された。
高雄捷運からは紅線が乗り入れる。同線は駅番号を導入しており、「R11」が割り振られている。
歴史
戦前
- 1900年(明治33年)11月29日 - 打狗駅が現在の高雄港駅の地に開業。
- 1920年(大正9年)9月1日 - 打狗駅が高雄駅に改称される。
移転後
- 1940年 - 三塊厝地区の現在地に新駅舎建設。施工は清水組(清水建設の前身)。
- 1941年(昭和16年)6月22日 - 新駅を2代目高雄駅、旧駅を高雄港駅と改称し現在に至る。元の高雄駅は高雄港駅に改称。
戦後
- 1947年3月16日 - 228事件の余波で当駅地下道に逃げ込んだ市民が犠牲となる
- 1971年10月 - 後站(北口)と第4ホーム供用。
- 2001年12月17日 - 行政院文化建設委員会(文化部の前身)主催の台湾歴史建築百景10位に選出。
- 2002年3月28日 - 臨時駅舎使用開始。
- 2008年3月9日 - 高雄捷運紅線が開業。
- 2018年
- 2月8日 - 前站仮駅舎前の市公車転運站を撤去。
- 6月20日 - 新ホームでの試運転開始
- 7月26日 - 市捷運局による新ホームの初回審査を条件付きで通過
- 8月20日 - 台鉄地下ホームが交通部による最終監査を条件付きで通過。数項目の開業前要改善事項がクリアできれば新ホーム供用となる。
- 9月5日 - 捷運駅が新ホームに移転、稼働開始(1号出口に代わり2号出口が供用)。
- 9月29日 - 高雄臨港線廃止。
- 10月14日 - 台鉄地下ホーム供用開始。
- 2019年2月16日 - 地下駅への進入経路が東側南華路に統一され、後站も使用を終了。
- 2021年
- 2月27日 - 中博高架橋撤去開始。
- 3月8日 - 新駅ビルへのアクセスとなる站西路が開通。
初代駅舎(移動後)
2003年、高雄市政府工務局により『高雄願景館』として再オープン。同年2月26日に初代駅舎を市の歴史建築に指定する公告がなされた。
2013年10月より鉄路改建工程局による地下化工事展示を目的とする『鐵路地下化工程展示館』となる。
2020年8月末を以って高雄願景館は閉鎖され、地下駅地上出入口として再利用するため元の場所に戻されることが発表された。
2021年2月27日深夜に中博陸橋が撤去され、7月26日より1週間かけて北方向へ4.8メートル、西方向への57.86メートル移動を控えた8月22日に移動式典が、移動が完了した9月26日には総統の蔡英文のほか、前市長陳菊、駐日代表で当時の市長謝長廷や日本台湾交流協会の泉裕泰も参加し、「高雄驛起飛座落儀式」が開催された。
新駅舎
高雄駅では2018年秋に台鉄の地下化、および暫定的に3両分のみ開業していた高雄捷運の臨時ホームを6両対応の新ホームへの移行がなされた。 駅の地上部は何度か設計案が練られたが、最終的にデルフト駅やスキポール空港のヒルトンホテル、市内衛武営駅前の衛武営国家芸術文化中心 を手掛けたオランダの建築事務所Mecanoo(メカノー)に所属する建築家フランシーン・フーベンの設計が採用された。2018年10月に地下駅に移転した後、一度油圧で曳き家した以前の駅舎を戻し入口として使われることになっている。
駅構造
台湾鉄路
島式ホーム2面4線を有する地下駅。
のりば
地下化後
地下化前
高雄捷運
島式ホーム1面2線を有する地下駅で、フルスクリーンタイプのホームドアが装備されている。
ホーム階の上に改札階があり、改札口は1箇所ある。トイレは改札内にある。
のりば
初代と2代目ホーム変遷
2018年に永久站と称される6両対応の新ホームに移行する前は南側に設けられた臨時站(臨時ホーム)を11年間使用していた。新ホームは開削工法で施工され、工事中はその両脇をシールドトンネルの仮設軌道で通過していたため、両ホームの軌道は共有していなかった。位置関係は以下のようになる。
出口
出口1:台鉄高雄駅、高雄願景館(建国路北側)(閉鎖)- 出口2:台鉄高雄駅直下
利用状況
駅周辺
前站(南口)、捷運出口1
- 高雄市公車バスのりば(
高雄市公車総站) - 長距離バスのりば:国光客運高雄站、阿羅哈客運高雄站、統聯客運建国站、和欣客運建国站、高雄客運南華站、中南客運高雄站
- 高雄駅旧駅舎(高雄鉄道地下化工事資料館)
- 建国路電気街
- 長明街商圈
- 高雄市立高雄高級中学
- 中華郵政高雄駅前郵便局
- 台湾港務公司本部
- 幸福川(高雄第二号運河)
- 高雄願景館
- 康橋大飯店 高雄駅前館(ホテル)
- エアライン・インホテル高雄 駅前館
- 六合夜市(台鉄としての最寄駅。高雄捷運の最寄駅は隣の美麗島駅)
後站(北口)
- 高雄市公共自転車(City Bike)後火車站
- 大連街商圈
- 後驛商圈
- 三民遊泳池(市民プール)
- 康橋商旅 後駅九如館(康橋大飯店 高雄駅前館と同じ経営のホテル)
バス路線
前站(南口)
- 高雄市公車(市区)
- 運賃は8km毎のゾーン制。
- のりばは建国路に面した「高雄火車站(同愛街口)」と中山一路に面した「高雄火車站(捷運高雄車站)」に分かれている。
- 高雄市公車(公路客運)
運賃は里程収費(距離制)
- 公路客運
後站(北口)
隣の駅
- 台湾鉄路
- 縦貫線南段
- 三塊厝駅 - 高雄駅
- 屏東線
- 高雄駅 - 民族駅
- 高雄捷運
- ■紅線
- 後驛駅 (R12) - 高雄車站駅 (R11) - 美麗島駅 (R10)
脚注
統計に関する出典
- 註釈
- 出典
関連項目
- 再會啦!車站 - 地下化事業により役目を終えて移設された初代駅舎を送別すべく制作された台湾語楽曲
- 台湾の鉄道駅一覧
外部リンク
- 高雄駅 (台湾鉄路公司) (日本語)(中国語)(英語)(朝鮮語)
- 臺鐵高雄站 (trakaohsiung) - Facebook
- 高雄車站(高雄捷運公司) (日本語)(繁体字中国語)(英語)
- 高雄鐵路地下化展示館 (繁体字中国語)
- 高雄鐵路地下化展示館 (khuricenter) - Facebook (繁体字中国語)




