百武彗星(ひゃくたけすいせい、Comet Hyakutake、C/1995 Y1)は、1995年12月に発見された長周期彗星である。
翌1996年1月に発見され大彗星となった百武彗星 (C/1996 B2)とは別の彗星であり、区別のためC/1995 Y1は百武第一彗星と呼ばれることがある。
発見
1995年12月26日早朝(JST)、鹿児島県隼人町(現霧島市)のアマチュア天文家百武裕司は、フジノンの15cm・25倍の大型双眼鏡を用いた彗星捜索中、うみへび座に10.5等級・視直径3.5分角の彗星状天体を発見した。天体の移動は確認できなかったが、新彗星の発見としてFAXと留守番電話で、兵庫県の中野主一(天文電報中央局・小惑星センターアソシエイツ)を通じて天文電報中央局に報告した。
確認観測は、翌27日早朝(JST)日本の小島卓雄と串田嘉男によって行われ、27日7時(JST)発行のIAUC6279によって新彗星C/1995 Y1としてアナウンスされた。
出現
彗星は、明け方の空を天の川に沿って北上し、近日点を通過した1996年2月にはへびつかい座、へび座(尾部)、わし座へと移動して7等台に達した。4月にペガスス座に移動する頃には10等級まで減光した。位置観測は1996年9月まで行われ、軌道には非重力効果が認められた。
エピソード
- 発見者の百武は、発見から1か月後の1月31日朝(JST)、この彗星を観測中、発見位置に双眼鏡を向けてみたところ、そこには別の新彗星が存在していた。のちに大彗星となる百武彗星 (C/1996 B2)であった。
- 2つの彗星を発見した場所には、現在有志により「彗星発見の碑」が建てられ、小さな広場として整備されている。
脚注
参考文献
- 『月刊天文ガイド』1996年4月号 誠文堂新光社
- 『月刊天文ガイド』1996年3月号 誠文堂新光社
- えびなみつる『コメットハンティング 新彗星発見に挑む』誠文堂新光社、2011年、122-135頁。ISBN 978-4416211076。
外部リンク
- 百武彗星 C/1995 Y1 ( Hyakutake ) 吉田誠一のホームページ
- せんだい宇宙館-ギャラリー- 百武彗星発見の地 記念碑




